みなさん、こんにちは。クラケンと申します。
最近、ゲームストップ株が高騰したことがニュースになっていましたが、どのようなことが起こったのでしょうか。
この記事では、
- ゲームストップ株がなぜ高騰したのか
- ゲームストップ株が今後も上昇し続けるのか
- このニュースから言えること
といった内容について、僕なりに書いてみようと思います。
株式投資を始めたばかりの方や経済ニュースについて勉強していきたい、という方にとってもわかりやすく解説していきます!
ゲームストップ株はなぜ高騰したのか
では、早速ゲームストップ株がなぜ高騰したのか、このニュースの内容についてわかりやすく解説していこうと思います。
まず、ゲームストップ(GameStop Corp. <NYSE: GME>)とは、アメリカ・テキサス州に本社を置く大手ゲームソフト会社です。
新品・中古のゲームソフトやゲーム機本体の販売を行っている企業です。
※参考:https://www.gamestop.com/ <同社ホームページ(英語)>
オンラインストアや実店舗を経営しています。僕も大型ショッピングモールとかで黒地に赤い文字で、GameStopと書かれたお店を何度も見たことがあります。
今回、このゲームストップの株価が高騰しました。
その背景は、以下の通りです。
- 一部のヘッジファンドがゲームストップ株下落を予想して空売り
- それに対抗する形で一部の個人投資家がネット上で団結し、買い注文
- ゲームストップ株が高騰
- 空売りしていたヘッジファンドが損失を抱える
- 損失を抱えたヘッジファンドが損切のために買戻しを行う
- さらに株価が上昇。
- 結果的に、最初に株価を釣り上げた個人投資家が利益を得ることができ、反対に、ヘッジファンドが損をする結果に
これが今回のニュースの中身です。
いくつか用語を解説します。
ヘッジファンド…先物取引やオプションなど、様々な手法を用いて、株式市場の上げ下げを利用した利益を得ようとする企業。
※参考:SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集「ヘッジファンド (ヘッジファンド)」
空売り…信用取引などを利用して、これから株価が下がりそうな株を借り、それを売る。そして、株価が下がったところで、買戻し、借りた株を返す。先に高いところで売って、安くなってから買い戻すことで利益を出す方法。
※参考:SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集「空売り (からうり)」
つまり、
ゲームストップ株が下がると予想して、ヘッジファンドが空売りをしていたが、個人投資家が団結して株を買ったことで株価が高騰し、株を借りたとき以上の株価で買い戻さなければいけない状態になった、というのがこのニュースの中身です。
元々、ゲームストップは、ゲームが実店舗で買うものからオンラインで買うものに変わっていく流れの中で、やや厳しい業績になっていました。
ゲームストップの直近の純利益は、
- 2017年度…353.20百万ドル
- 2018年度…34.70百万ドル
- 2019年度…▲673.00百万ドル
- 2020年度…▲470.90百万ドル
と、2018年度以降苦戦。当然、EPSも、
- 2017年度…3.40
- 2018年度…0.34
- 2019年度…▲6.69
- 2020年度…▲5.38
という内容。この業績を見ると、残念ながらゲームストップ株は、力強く株価が上昇する株とは思いにくく、ヘッジファンドも株価が下落する、とみていたのでしょう。
しかし、株式市場では、何が起こるかわからず、業績が低迷していても株価が上がる可能性があったため、ヘッジファンドは、ゲームストップ株を売る理由を説明することで、市場参加者にも
ゲームストップ株を売ろうという気になってもらって、予想通りにゲームストップ株が下落することを狙っていました。
しかし、ここに目を付けた個人投資家の集団があり、この動きに反して、買い注文を入れ、株価を釣り上げました。
その結果、ヘッジファンドが予想していた通りの株価下落が起こらず、ヘッジファンドは、株価が上昇するなか、傷を広げまいと、損切の買戻しを行うことになったのです。
ゲームストップ株高騰のニュースから言えること
ここでは、僕の独断と偏見から、このニュースから言えることについて書いていきたいと思います。
株式市場の投機性の高まり
今回ロビンフッダーら個人投資家が、機関投資家に対抗する形で結託して、ゲームストップ株の株価を釣り上げました。
これは、一見すると今まで、市場に対してあまり大きな影響を持つことができず、時には機関投資家のカモにされるようなところもあった個人投資家が、
ネットの力を使って、「ジャイアントキリング」を起こしたようにも見えます。
ネットの力によって、個人投資家も機関投資家に対抗できるだけの力を持つことができる、というのは必ずしも悪いこととは思いません。
しかし、今回起こったことを見ると、その中身は、一部の個人投資家たちがまるでゲームをするような感覚で、
その企業の業績など、ファンダメンタルズと全く関係のないところで価格を釣り上げました。
これは、言ってしまえば、単なる「マネーゲーム」であり、ギャンブル(投機)です。
今後、同じようなことが再び起こる可能性を考えると、株式市場は、「マネーゲーム」を楽しむ投機家の増加によって、投機性の高まりを見せる可能性があると考えます。
このことは、必ずしも個人投資家たちにとって好ましい状況とは言えないと思いますし、そもそも株式市場というのは、公正な取引が行われるべき場ですので、
一部の参加者の感情的なマネーゲームによって価格が操作される市場環境は公正な市場とは言い難いのではないでしょうか。
個人投資家 vs 機関投資家の変化
先ほども書いた通り、今回のニュースからわかることとして、株式市場における、個人投資家 vs 機関投資家の力関係が変化している、ということも言えるのではないかと思います。
これまでは、ウォーレン・バフェットなど、一部の著名投資家を除いて、個人投資家の言動が市場に大きな影響を与えることは稀なことでした。
しかし、ネットの力によって、個々では勝てなくても、集団の力で機関投資家という大きな力と対等かそれ以上の力を持つことができる、ということが証明されました。
こんな風に考えると、小学生のころ、国語の授業でやったスイミーを思い出します。
このこと自体は、「時代の変化」とも言え、これまで機関投資家にカモにされてきた個人投資家にとっては、戦いやすい時代になった、と言えるのではないかと思います。
ただし、先ほども述べた通り、その力の使い方が、公正で正しいものである必要があると思います。
そうでなければ、その力を持った個人投資家自らが首を絞めることになりかねないからです。
懸念される点
では、今回のニュースで懸念される点としては、どんなことがあるのでしょうか。
個人投資家への規制
一つは、個人投資家に対して、政府や証券会社などからの取引規制がかかるのではないか、という点。
ただ、これは、それほど心配するべきポイントではないと思います。
なぜなら、仮に政府や企業が個人投資家の取引の自由を制限するのであれば、せめて機関投資家にも同じ規制を適用しないと、自由で公正な株式市場は維持されません。
何よりも、世界中の個人投資家が黙っていないと思います。
一方、今回のニュースの中で、ロビンフッドが個人投資家の取引を一時停止した、との報じられました。
これは、個人投資家の取引を制限・規制する意図のものではなく、ロビンフッド社の経営上、必要な判断に過ぎないものだったようです。
しかし、今後同じようなマネーゲームが繰り返されれば、政府などから何らかの対策が取られる可能性はあるかもしれません。
ゲームストップ株の下落(急落?)
もう一つ懸念される点としては、ゲームストップ株を含む、今回のマネーゲームの対象となった企業の株価の下落です。
先ほども述べたように、ゲームストップの場合、企業業績そのもの、つまり、ファンダメンタルズでは、残念ながら、今後も上り調子で株価が成長していく状態とは言えません。
一時的な投機家たちのゲームによって入れあげられた株は、その裏付けとなるファンダメンタルズがないため、
そのうち下支えを失って下落することが予想されます。
別の言い方をすると、今回マネーゲームを行ったロビンフッダーたち投機家は、機関投資家に勝ったからと言って、高値のうちに利益を確定させて売り抜けないと、結局、自分たちも利益を得ることができません。
そうなると、投機家たちの中で、今度は、「いかに早く売り抜けるか」という競争が始まります。
また、機関投資家たちは、今回の高騰を受けて、業績に見合わない高い株をわざわざ買いに行く、という可能性は低いので、単純に投機家たちの「売り抜け競争」になります。
そうなると、高騰した株は、どんどん売られていき、値を下げていくはずです。
実際、この記事を書いている米国時間 2月1日の時点で、ゲームストップ株は、前日終値から100ドル、およそ30%と、大きく下落しています。
そして、売り抜け競争の中で、いいタイミングで売り抜けられなかったロビンフッダーたちは、自分たちがゲーム感覚で買いを入れた高値の株を、下落後の安い値段で売る羽目になり、大きな損を抱える可能性があります。
マネーゲームをして機関投資家を倒したと言っても、最終的には自分で自分の首を絞める結果になりかねない、ということです。
我々はどうしたらいいのか
では、このニュースを受けて、僕たちのようないわるゆ「一般的な個人投資家」はどうしたらいいのでしょうか。
答えは、簡単です。
今まで通り、淡々と自分のスタイルを貫いて投資を続ける
ただそれだけです。
つみたて投資をやっている方は、これまで通り淡々と、愚直につみたてを続けましょう。
個別株に投資をしている方は、このようなニュースや一時的な株価の高騰・急落に一喜一憂したり、右往左往したりせず、淡々と企業分析をしたり、ニュースを見たりして、
自分なりにでも優良な企業を見つけ、そこそこの価格で買えるように日々準備を続けていきましょう。
どちらの方にも共通して言える注意点は、今後このようなマネーゲーム(らしき)動きがあった場合は、自分ではそこに参加しない、ということです。
ここまで何度も述べてきたように、今回起こったゲームストップ株の高騰は、あくまで投機です。ギャンブルです。
ギャンブルが好きな方は、参加してもいいと思いますが、着実に資産を育てていきたい、と考えている方は、悪いことは言いません。やめておきましょう。
一時的に大きな利益を上げられても、どこかで反発を食らいます。
時間をかけてコツコツと、着実に資産を形成していきましょう。たまたま今日こんなツイートも見つけたので、貼っておきます。
素晴らしいですね。
僕も積立NISAを使った投資信託の資産をいくらか保有してますが、今のところしっかり含み益になっています。
米中貿易摩擦やコロナ禍で大きく下げたときは、「あ〜」と思いましたが、愚直に積み立てて、辛抱強く持つことが大きく負けないためのカギなんでしょうね。 https://t.co/Xng0sZ8T7q— Klaken (@Klaken5) February 2, 2021
良かったら、こちらの記事もどうぞ(^^♪
※参考:Nisa・つみたてNisaとは?-豊かな人生をめざして-
まとめ
今回は、ゲームストップ株高騰のニュースについて、なぜ高騰したのか、そして、そこから何がわかるのか、ということを解説してきました。
まとめると、
- ゲームストップ株の高騰は、機関投資家による空売りに対して、結託した投機家たちによって引き起こされた
- しかし、それは単なるマネーゲーム
- マネーゲームに参加した投機家たちは今度は売り抜け競争に参加する羽目になり、自分で自分の首を絞める結果になるだろう
- 賢い投資家として、着実に資産を育てていくには、マネーゲームには参加せず、自分の投資スタイルを淡々と貫いていくことが最善の方法である
では、本日はここまでとさせていただきます。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回もまたよろしくお願いします!
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